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2019.10.2

ロードバイクに乗る人必見!2019年10月1日から加入が義務化された保険

2019年10月1日より、自転車に乗るすべての人に「自転車損害賠償保険」への加入が義務化されました。加入が義務付けられる人はどんな人でしょう?また、対象地域はどこなのでしょう?詳しく解説いたします。
ロードバイクに乗る人必見!2019年10月1日から加入が義務化された保険

ロードバイク買取専門店「チャリストック」では、ロードバイク買取はもちろん、ロードバイクを楽しまれている全ての人を応援しています。今回は、ロードバイクと保険に関するトピックスをお届けします。

───────────目次───────────

1.義務化の背景

近年、ロードバイクを含めた自転車事故により、重大なけがや損害が起きています。そして、それに伴い莫大な損害賠償費用が請求されることも目立つようになり、自転車事故の危険性などが改めて認識されるようになってきました。

万が一、自転車事故を起こした際、何の保険にも加入していなければ、請求された高額な賠償費用を払うことができないかもしれません。以下は高額賠償金額が請求された一例です。

a)歩道から交差点に進入した自転車と女性が運転する自転車の衝突事故(埼玉県)
男子高校生が朝、自転車で歩道から交差点に無理に進入し、女性(60歳)が運転する自転車と衝突。女性は頭蓋骨骨折を負い9日後に死亡。
賠償金額:3,138万円(平成14年2月 さいたま地裁)

b)信号のない交差点を左折した自転車と男性が運転する自転車の衝突事故(大阪府)
自転車が信号機のない三叉路の交差点を左折した際、対向進行してきた男性(70歳)が運転する自転車と衝突し、植物状態に陥り、事故の1年4月後に死亡。
賠償金額:3,400 万円(平成14年6月 大阪地裁)

c)信号無視の自転車がオートバイと衝突事故(東京都)
男子高校生が朝、赤信号で交差点の横断歩道を走行中、男性(62歳)が運転するオートバイと衝突。男性は頭蓋内損傷で13日後に死亡。
賠償金額:4,043万円(平成17年9月 東京地裁)

d)携帯電話を操作しながら無灯火で走っていた自転車と歩行中の女性の衝突事故(神奈川県)
女子高校生が夜間、携帯電話を操作しながら無灯火で走行中、前方を歩行中の女性(57歳)と衝突。女性は手足がしびれて歩行が困難になるなどの重大な障害が残った。
賠償金額:5,000万円(平成17年11月 横浜地裁)

e)車道を斜めに横断した自転車と対向車線の自転車の衝突事故(東京都)
自転車運転中の男子高校生が車道を斜めに横断し、対向車線を自転車で直進してきた男性(24歳)と衝突。男性は言語機能の喪失など重大な障害が残った。
賠償金額:9,266万円(平成20年6月 東京地裁)

f)坂道を下ってきた小学生の自転車と歩行中の女性の衝突事故(兵庫県)
坂道を下ってきた小学5年の少年の自転車が、歩行中女性(62歳)と衝突。歩行者の女性は意識不明。
賠償金額:9,520万円(平成25年7月 神戸地裁)

このような事故による被害者の保護のため(また多額の賠償請求による加害者側の経済的破綻を回避するためにも)自転車保険への加入を条例で義務付ける動きが広がり始めました。そして、そのエリアは2019年10月1日に一気に拡大しました。

2.義務地域

2019年10月現在の義務地域は以下の通りです。

  • 宮城県仙台市
  • 埼玉県
  • 神奈川県相模原市
  • 石川県金沢市
  • 滋賀県
  • 京都府
  • 大阪府
  • 兵庫県
  • 愛知県名古屋市
  • 鹿児島県

2019年10月1日より義務化になった地域は以下の通りです。

  • 神奈川県
  • 静岡県
  • 長野県
  • 愛知県豊橋市
  • 茨城県笠間市

努力義務地域は以下の通りです。

  • 北海道
  • 群馬県
  • 東京都
  • 千葉県
  • 鳥取県
  • 愛媛県
  • 徳島県
  • 香川県
  • 福岡県
  • 熊本県

3.加入義務対象者

自転車の保険への加入が義務化される対象者は、自転車保険加入義務化地域内でロードバイクや自転車を利用する全ての人です。住民票の場所は関係ありませんし、条例施行前に購入した自転車であるかどうかも関係ありません。

例えば、長野県は2019年10月1日より自転車保険の加入を義務化しましたが、長野県に住んでいる人はもちろん、県外からサイクリングに来た人を含め、長野県内で自転車に乗る人が対象者です。また、自転車を利用する人が未成年者の場合は、未成年者の保護者に加入義務があります。

ただし、対物賠償保険への加入は任意となります。

4.保険の種類

では、具体的にはどのような保険に加入しておけばいいのでしょう。それを学ぶために、まずは保険を大きく二つに分けます。「自転車に乗る人にかける保険」と「自転車にかける保険」の二つです。

4-1.自転車に乗る人にかける保険

一般的に自動車やバイクの保険では、自賠責保険も任意保険も車両にかけます。しかし、今回義務化された内容に沿ってお話しすると、ロードバイクや自転車を乗る人は、その車両に保険をかけていなくも、ロードバイクや自転車を利用する人が自転車事故の被害者の生命および身体の損害を補償することができる保険に入っていれば大丈夫です。いわゆる「自転車に乗る人にかける保険」だけで問題ないということです。

「自転車に乗る人にかける保険」は次のような保険があります。

a)自動車保険、火災保険、傷害保険などに付帯して自転車事故を補償できる特約
b)個人賠償責任保険
c)自転車保険
d)クレジットカード会員が自動加入する保険で自転車事故を補償できるもの
e)全労済、JA(農協)共済、コープ共済、都道府県民共済 など
f)会社等の団体保険、PTAの保険 など

上記の保険に加入していれば、あらゆる自転車事故について補償できるということではありません。それぞれの契約によって補償内容は異なります。必ずしっかりと確認しましょう。

また、契約によっては保険契約者本人のみならず、家族の自転車事故の補償もできる場合もあります。

4-2.自転車にかける保険

TSマーク付帯保険とは、自転車安全整備士が自転車を点検整備した際に貼付されるTSマークに、傷害保険と賠償責任保険が付いている保険です。主な特徴は下記の通りです。

a)自転車に保険がかけられているので、その自転車に誰が乗っても補償されます
b)加入の条件として、自転車安全整備店で自転車安全整備士が自転車の点検・整備を実施

ただし、TSマークは「赤色TSマーク」「青色TSマーク」の2種類があり、補償内容が異なります。また、料金の目安は、年間1500円~2000円程度ですが、自転車の状態によって点検整備にかかる費用が異なるので注意が必要です。

5.加入確認の方法

まず、「自動車保険」「火災保険」「傷害保険」のいずれかに加入しているかをお調べください。加入している方は、自転車損害賠償保険等に相当する補償が、基本補償または特約として付いていれば心配ありません。

自動車保険、火災保険、傷害保険のいずれにも加入していない方は、「共済」「各種団体保険の保険」に加入しているかを確認してください。もし加入しているなら、自転車損害賠償保険等に相当する補償が、基本補償または特約としてついていれば問題ありません。

もし上記のいずれにも該当しないなら、自転車損害賠償保険等への加入が必要です。

6.加入などの相談先

保険・共済等の内容や加入等に関する条件や詳細について知りたい方は、下記の各事業所へのお問い合わせください(アルファベット順)。

あいおいニッセイ同和損保株式会社
AIG損害保険株式会社
au損害保険株式会社
共栄火災海上保険株式会社
全国労働者共済生活協同組合連合会(通称:こくみん共済coop)
損害保険ジャパン日本興亜株式会社
東京海上日動火災保険株式会社
日新火災海上保険株式会社
日本コープ共済生活協同組合連合会(通称:コープ共済連)
三井住友海上火災保険株式会社
明治安田生命保険相互会社
楽天損害保険株式会社

7.まとめ

自転車事故による高額賠償請求が目立つようになり、被害者の保護および加害者の経済的破綻の回避を目的に、多くの地域で自転車損害賠償保険への加入が義務化されるようになっています。

実際に、小学五年生起こした事故について、裁判所は「監督義務を果たしていない」との理由で9,520万円もの賠償命令を下しています。

皆さんは色々な地域でロードバイクに乗ると思います。ですから、自分の住んでいる地域が義務化されていないからといって、未加入のままでいるのはやめましょう。ロードバイクはスピードも出やすい自転車です。事故が起きたら、とても重大な損害へと繋がる可能性も十分あり得ます。ぜひこれを機に、保険について見直してください。

ただ、自転車損害賠償保険については、様々な特約になっており、重複している人も少なくありません。重複はただの無駄になります。その点もぜひご確認ください。

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