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ロードレースやトラックレースだけじゃない! 「自転車競技」のまとめ

「自転車競技」と聞いて真っ先に思い浮かぶのは、ツールドフランスなどで有名な「ロードレース」や、競輪などの「トラックレース」だという方は多いことでしょう。

しかし、実際は自転車競技はバリエーションに富み、さまざまなスポーツとして世界中で認知されています。そこで今回は、自転車競技として代表的なものをご紹介いたします。

目次

  1. ロードレース
  2. トラックレース
  3. マウンテンバイクレース
  4. シクロクロス
  5. BMX
  6. トライアル
  7. サイクルスピードウェイ
  8. 室内自転車競技
  9. パラサイクリング
  10. バイクチャンバラ
  11. 自転車競技として扱われていない競技

 

1.ロードレース

ロードレースは自転車にて、主に舗装された道路上で走力を競う競技です。一般公道を閉鎖したり交通規制したりして行われ、ゴールの順番や所要時間を争います。

マラソンとは異なりレース距離は定められておらず、1時間未満のジュニアレースや数キロのホビーレース、プロによる6〜7時間に及ぶクラッシックレース、あるいは複数のステージで数日間続く大会など、幅広く開催されています。また、コースも様々で、標高3,000mに至る山岳コースもあれば、田園地帯や海岸線を走るコースもあります。

ロードレースは基本的には個々の成績を競う個人競技です。しかし、上級カテゴリーのレースではチームを組み複数のメンバーが役割を分担し、チームが定めた目標達成のために走る団体競技のようなレースも数多くあります。

競技方式は、主だったもので三つあります。

一つは、参加選手全員が一斉に大集団でレースを開始し、予め決められたフィニッシュ線での着順にて順位を決する方法。
二つ目は、参加選手が一定時間差で個別にスタートし、フィニッシュ線までの所要時間により順位を決する方法。
そして三つ目が、2日間以上の日程で前記2方法を取り入れた2レース以上の合計所要時間などにより順位を決する方法です。

ロードレースは歴史も古く、1903年から開催されている「ツール・ド・フランス」、1909年から開催されている「ジロ・デ・イタリア」、1935年から開催されている「ブエルタ・ア・エスパーニャ」の三つの総称「グランツール」を筆頭に、日本でも「ツアー・オブ・ジャパン」の前身となる「国際サイクルロードレース」が1982年に開催されています。

いま世界で最も人気の高い自転車競技、といっても過言ではないスポーツ。
それがロードレースです。

2.トラックレース

トラックとは自転車競技の走路のことで、カーブでも速度を落とさず全速力で走れるよう「カント」と呼ばれる角度が付いています。そして、トラックレースとはその自転車専用走路にて走力を競う競技です。

使用できる自転車は「ピストバイク」(「ピスト」は自転車競技場やそのトラックのこと。フランス語「piste」が語源)や「トラックレーサー」と呼ばれる自転車に限定されていて、後輪が固定ギアの仕様となっています。そのため、通常の自転車は前に漕ぐと走り出し、足を止めても車輪が空転する構造ですが、ピストは足の回転と車輪の回転が固定されているため、後ろに漕ぐと後ろに進むことが可能です。つまり走行中に後ろへ漕げばブレーキの役割を担う構造となっており、競技用のピストバイクにはブレーキ自体がありません。

したがって、しばしば「ピストバイクは違法」と言われることがありますが、ブレーキを装備しないノーブレーキピストが違法となるだけで、ブレーキを装備したピストであれば公道においても問題はありません。むしろ近年ではそのファッション性の高さからブランドとのコラボも実現しており、ファッショナブルな人たちを中心に人気があります。

競技種目は非常に多く、中野浩一が世界自転車選手権で10連覇を達成した「スプリント」や、2000年のシドニーオリンピックより正式種目となった「チームスプリント」、日本発祥の公営競技である競輪を元に作られた競技だがそれと区別するためにカタカナ表記される「ケイリン」などが有名です。

3.マウンテンバイクレース

マウンテンバイクレースとは、主に山間部の未舗装路などを走る自転車競技です。MTBやマウンテンバイクと呼ばれる特殊な自転車を使用します。

マウンテンバイク最大の特徴は、頑丈なフレームと太いタイヤによる高い走破性です。荒野や山岳地帯等での高速走行、あるいは急坂登降や段差越えなどにも対応します。タイヤが太いため親しみやすく、その上、乗り心地も良いため、近年ではオフロードに限らず舗装路の街乗りでも人気です。

マウンテンバイクの始まりは1970年代後半、アメリカ合衆国カリフォルニア州サンフランシスコ郊外のマリン郡にて、ヒッピー達がビーチクルーザーや実用車などに太いタイヤをつけ、「クランカー(clunker)」「バルーナー(balooner)」「ボマー(bomber)」などと呼ばれる改造自転車で山の未舗装路を駆け下りる遊びが流行したのがきっかけです。そして、やがてそうした自転車を使ってタイムを計測するレースが開催されるようになり、多くの人が集まるようになると専用バイクが作られます。それが「マウンテンバイク」と名づけられ今に至ります。

競技種目は数多く、また、それぞれに特化したモデルが発表されています。

山道の長距離走行に特化した「クロスカントリー(XC)」。
ジャンプスタントに特化したBMXに近い「ダートジャンプ(DJ)」。
障害物を乗り越えることに特化した「オブザーブドトライアル(TR)」。
2010年より定着し始めたMTBとBMXをミックスさせた「プレイバイク」。
山を下ることに特化した「ダウンヒル(DH)」。
技を重視して自由に乗車する目的の「フリーライド(FR)」。
フリーライドよりさらに幅広く、マウンテンバイク全ての要素を兼ね備えた「オールマウンテン(AM)」などがあります。

4.シクロクロス

シクロクロスは自転車によるクロスカントリーのレースです。コースは林道や牧草地、農閑期の畑、あるいは乗車したままでは通過できない障害物や階段などが設定され、競技者は時には降車して自転車を担がなければならない箇所もあったりします。

起源については諸説がありますが、有力な説によれば1900年代初頭、自転車選手が隣町までの競争の際、近道するためにフェンス内に入って畑の中を自転車で走ったことがきっかけだと言われています。が、定かではありません。ただ、いずれにせよ当時は冬の休耕中は農地に入ることが許されており、ロードレースの選手がオフシーズンのコンディション調整であったり、または不整地を走ることで瞬発力や自転車の操舵能力を高めるトレーニングとして活用していたのは間違いないようです。

そして、これがやがて競技として形成され、1902年にフランスで国内選手権が開催されると、1924年には最初の国際大会がパリにて行われ、1940年代には国際自転車競技連盟(UCI)が正式な競技として認定。1950年には世界選手権が開催されます。また、その後シクロクロスは海を越えてアメリカに伝わり、1970年代に人気が爆発、1975年にはアメリカでも国内選手権が開かれました。

日本では1986年からシリーズ戦が行われるようになり、第1回全日本選手権は1996年、長野県の原村で開催されました。

シクロクロスに用いられる自転車はオフロードでの使用が大前提なので、一見するとロードバイクに近いシルエットをしています。しかし、シクロクロスとロードバイクでは大きく異なる点がいくつかあります。

まずはタイヤです。
シクロクロスでは路面コンディションによっていくつものパターンがあり、また、ロードバイクとは違ってタイヤ幅が広いものもあります。

ブレーキの種類も異なります。
ロードバイクではキャリパーブレーキが主流ですが、シクロクロスでキャリパーブレーキを使うとクリアランス不足で泥が詰まってトラブルになる恐れがあるため、カンチブレーキかディスクブレーキのどちらかが採用されます。

5.BMX

BMXはBicycle Motocross(バイシクル モトクロス)の略で、自転車競技一種、あるいはその競技で使用される自転車です。

基本的には車体は構造が単純で頑丈であり、快適性は想定されておらず変速機能も持たないので長距離走行には不向きです。また、泥よけやスタンド、ライトといった競技に関係ない部品は装備しておらず、国際自転車競技連合の規定では、標準では20″ホイール、クルーザーでは24″ホイールと定められています。

起源は1970年代初期、アメリカ西海岸を中心に子どもたちがオートバイのモトクロススターに憧れ、20インチクルーザーバイクでモトクロスを真似たことだと言われています。それが1970年代半ばには専用のバイクを使ったレースが全米で行われるようになり、現在ではオリンピック種目として認定されている競技も多数あります。

競技は2系統に分かれています。
一言で言えば、速さを競う「レース」と、技を競う「フリースタイル」です。

レースは最大8名のレーサーが一斉に走り、様々な形状のジャンプ台やコーナーを含む400m程のコースで着順を競います。2008年には「スーパークロス」という名称でオリンピックの公式競技種目に指定されました。

一方、フリースタイルはさらに細分化され、いくつもの競技が存在します。

舗装された平らな地面を舞台とするフィギアスケートのような「フラットランド」。
主にスケートパークと呼ばれる競技専用施設でトリックを披露する「パーク」。
土を盛りジャンプ台を作って連続ジャンプしながら空中で技を繰り出す「ダート(またはトレイル)」。
パークとは異なり専用施設は使用せず街中の手すりなどを使用するライディングスタイル「ストリート」。
ヴァートランプと呼ばれる巨大なハーフパイプを用いて空中での技を競う「ヴァート」などがあります。

BMXはロードレースやMTBよりも自転車が小さいため、幼い子どもでも始めやすく、自転車競技の出発点となる傾向が強いようです。実際、ロードレースやマウンテンバイクのレーサーには、BMXレース経験者が多くいます。

6.トライアル

トライアルは岩場などの障害物を足を着けないよう越えて行く競技です。オートバイなどモーターサイクルによるトライアルを「モトトライアル」、自転車で行うものを「バイクトライアル」と区別することもあります。

起源は1970年頃、スペインのカタルーニャ地方にて子供たちがオートバイの代わりに自転車でモトトライアルを真似たことだと言われています。そして、同地に住むモトトライアルの世界チャンピオンが幼い息子にトライアルを覚えさせるため、自転車によるバイクトライアルをやらせたことで競技として本格化したそうです。

初期には「トリアルシン」や「バイシクルトライアル」、「BTR」とも呼ばれていましたが、国際バイクトライアル連盟(BIU:BikeTrial International Union)の設立により、公式名称は「バイクトライアル」となりました。

競技方法は主催者によりルールは若干変わるものの、基本的には2㎞前後のコース内に十数か所の競技区間を設け、制限時間超過、あるいは足が地に付いたりすると減点され、その減点数が少ない順位で順位を決します。

トライアルバイクは、走行よりダニエル(前輪を上げたまま跳ねて進むこと)など障害物を越えるための動作に最適化されています。そのため、交通手段には全くの不向きな自転車です。また、一見するとBMXと似ているように思いますが、共通部品はほとんどありません。さらに、国際自転車競技連合でも当然別物として扱われていて、トライアルバイクをBMXと呼ぶことはありません。

7.サイクルスピードウェイ

サイクルスピードウェイは屋外のフラットダート、あるいは屋内にショートトラックが設置され、短距離のトラックを周回する自転車競技です。主にイギリスで行われている種目ですが、ワールドチャンピオンシップも開催されています。

発祥は1920年代イギリス。ガレキを除去した土地にトラックをつくり、やがてオートバイのスピードウェイにおけるルールが自転車レースにも取り入れられて発展します。1945年のロンドンでは爆撃された跡地でレースが行われ、終戦から5年後には東ロンドンだけでも200ものサイクルスピードウェイのクラブが誕生していました。そして、1950年にはナショナル・アマチュア・サイクルスピードウェイ・アソシエーション(NACSA) が設立され、曖昧なルールを統一。これにより国内選手権や国際トーナメントが開催されるようになり、一時は1万人の観衆を集めたこともあったようですが、それでも戦争により競技人口は減少にあったため、多くのクラブが閉鎖します。が、1958年、オランダ・スウェーデン・ポーランドの愛好家が競技の再興に尽力し、世界選手権としてトーナメントを再び開催。その後は運営団体の内紛による分裂もありましたが、1971年にブリティッシュ・サイクルスピードウェイ・カウンシルの設立により一つにまとまります。

サイクルスピードウェイは基本的にはモーターサイクルのスピードウェイ競技と同じで、自転車のサイクルスピードウェイも肘をぶつけ合う高速レースです。使用する自転車は、モーターサイクルによるスピードウェイの自転車版です。フリーホイールでブレーキがありません。狭いトラックを4人で周回するため、とても激しい攻防が繰り広げられるのが最大の見どころです。しかし、このスピードウェイで勝利するためには当たり負けしないフィジカルだけでは不十分で、スタートダッシュできるスプリント能力、およびアグレッシブなレースとクラッシュに耐えられる精神力、さらには同じチームに所属する2人のライダーが同じヒートに出場するため戦術も必要となり、知力と体力が求められるスポーツだと言われています。

8.室内自転車競技

室内自転車競技はインドアサイクリングなどとも呼ばれ、サイクルフィギュア、サイクルサッカー、サイクルポロなどの芸術系、球技系自転車競技を指し、必ずしも屋内で行なわれる自転車競技の総称ではありません。ドイツを中心にスイス、オーストリア、チェコ、スロバキア、ベルギーなど、主に中央ヨーロッパで人気の高い自転車競技です。

世界初の室内自転車競技世界選手権は、非公式ながらも1888年、ドイツ系アメリカ人の自転車曲乗師であるニコラス・エドワード=カウフマンがアメリカで開催したサイクルフィギュアの競技会です。そして、ニコラス・エドワード=カウフマンは1893年には、観衆の前でサイクルサッカーの試合も行いました。

現在では国際自転車競技連合が主催し、世界室内自転車競技選手権が行われています。そのうち、サイクルサッカーは1930年より、サイクルフィギュア男子は1956年、サイクルフィギュア女子は1970年より行なわれています。また、この2種目は日本でも日本室内自転車競技連盟が全日本室内自転車競技選手権を開催おり、アジア室内競技大会の競技種目にも認定されています。

9.パラサイクリング

パラサイクリングは国際自転車連合(UCI)の規定する競技規則に基づき行われる障害者の自転車競技で、通常の自転車を選手の身体に合わせ改造した自転車を使用します。ロードとトラックが行われ、競技ルールは通常のものとほぼ同じです。しかし、選手は障害の種類と使用する自転車により4つのクラスに分類され、さらに障害の度合いによりクラス分けされます。参加する選手の障害の種類には大まかに、四肢障害(切断、機能障害)、脳性麻痺、視覚障害、下半身不随があります。

10.バイクチャンバラ

バイクチャンバラは自転車を馬に見立て、当たっても怪我をしないウレタン製などの軟質素材のチャンバラ刀を持ち、選手同士が互いの背面をヒットし合う対戦競技です。接触プレーは禁止されており、怪我をすることがほとんどないスポーツであることから、自転車に乗れれば幼児から高齢者まで手軽に楽しめるとあって近年では競技人口は増加傾向にあります。

ルールは非常にシンプルで、20m×15mのコート内で急旋回、急減速、急加速、静止を繰り返しながら追ったり逃げたりし、1セット2分間でより多くのセットポイントを獲得した者が勝者となります。

日本バイクチャンバラ協会主催の競技では、競技の性質上スタンドの有無やギアの有無は不問ですが、車別に以下の5つのカテゴリーが用意されています。

①自由形
②ロードバイク
③軽快車(ママチャリ)・フラットバー(フラットハンドル)バイク
④タイヤ径20インチ以下の小径車
⑤1輪車

その上で、性別や年齢別に
1.Aクラス(小学1年生~3年生迄の男女別)
2.Bクラス(小学4年生~6年生迄の男女別)
3.Cクラス(中学生~64歳迄の男女別)
4.Dクラス(65歳以上の男女別)
に区分され競技が行われます。

11.自転車競技として扱われていない競技

自転車競技は原則として、競技開始から終了まで、人と自転車が一組としての進行が求められます。これは例えば、競争種目のフィニッシュ直前で自転車が乗車走行不能となった場合、自転車を放棄して人間単独でゴールラインを通過しても無効とされることを意味します。

また、競技内容の一部に自転車が要素として含まれているだけのスポーツは、基本的には自転車競技として扱われません。具体的には、「トライアスロン」「デュアスロン」「エクステラ」「アドベンチャーレース」などは自転車競技には含まれません。

トライアスロンは、水泳・自転車ロードレース・長距離走の3種目をこの順番で行う競技です。1974年にアメリカで初めて開催された比較的新しいスポーツです。スイム・バイク・ランを一人のアスリートが連続して行う耐久競技であり、自転車ロードレースが含まれていますがスイムとランがあるため自転車競技ではありません。

デュアスロンは、水泳が不得意な人でも参加できるように、または水泳を設定しづらい会場や冬季開催も考慮し、トライアスロンのスイムをランニングに代えて行う競技です。第一ラン(ランニング)、バイク(自転車ロードレース)、第二ラン(ランニング)の順に行います。自転車ロードレースが含まれますが、それはあくまで競技の要素に過ぎないため、デュアスロンは自転車競技ではありません。

エクステラはトライアスロンのオフロード版のような性格をもつ競技です。オープンウォータースイミング、MTB(マウンテンバイク)、トレイルランニングの3種目を1人の競技者が連続して行います。1996年にハワイ州マウイ島で誕生し、2004年からは日本国内での大会も本格的に開催されるようになりました。それから徐々に世界的な広がりをみせ、現在では世界16カ国100レースが開催される規模へと成長。国別や地域別のチャンピオンシップを中心に、関連イベントを含めれば年間150もの大会が開催され、ワールドシリーズ化もされています。ただし、MTBが種目に含まれていても競技の要素でしかないため自転車競技ではありません。

アドベンチャーレースは、山、川、海などの自然をフィールドに、多種目なアウトドア競技をこなしながらゴールを目指す競技です。基本的には夜間行動もある3日以上の超長距離レースです。大会ごとに種目は異なりますが、オリエンテーリングを伴うトレッキング・マウンテンバイク・パドリング・ロープワークなどが主な種目です。しかし、こちらも自転車が競技の要素の一つにすぎないため自転車競技には含まれません。